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リハビリ科
 
リハビリ科

リハ科がこれまで行ってきた事と、これからリハ科が取り組んでいきたいことを簡単ですが書かせていただこうと思います。平成17年10月に作業療法士1名で開園しその後理学療法士2名増員し、合計3名となりました。平成19年4月から外来リハビリを開始、平成20年4月から摂食・嚥下外来も開始しました。このように施設入所・通所の方のみでなく地域在宅の方へも何かお役に立てればと思っています。また学会発表や参加、施設内や地域の専門職員へ勉強会の開催、他施設通所の訪問なども行なっています。地域と関わる事で重症児(者)に関わる専門職員として期待されていることを感じ、日々研鑽しています。リハビリでは運動能力・運動機能に視点が向きがちで、リハビリというと整形外科的な運動療法のイメージが強いのではないでしょうか。実際これまで運動療法を多く行なってきました。これは非常に重要なことでありこれからも継続していく事が大切と考えています。更に当施設のリハビリでは呼吸・食事・姿勢について関わる事が多く、これらは生活に密接に関係し、命にも関わることであり重要視しています。このようなことを継続していくこと、知識や技術の向上に励むことが私たちの当面の目標ですが、その上でこれからは本人の持っている能力を最大限発揮できるような環境つくり、介助者・家族への支援なども含め、日常の活動(生活・余暇・遊び・仕事)についてより専門的に関わり、生活の中でより充実感を得られる、そしてひとりひとりが持つ「きらめき」をより引き出せるリハビリを目標に取り組んでいきたいと考えています。

 

小羊学園の機関誌である「つのぶえ」に掲載したものを紹介します。

 

「利用者さんの持つ力」

昨年、ある外来の利用者さんの耳に褥瘡が出来ました。原因は、枕として使用しているアイスノンです。市販のアイスノンは、耳を除圧するスペースが無く圧がかかり、場合によっては褥瘡発生の原因になります。褥瘡を治すには、アイスノンの使用を控えるのが賢明ですが、体温調整が困難な利用者さんにとって生活上不可欠な道具の一つでした。そこで、除圧するスペース付きのアイスノンを作成することにしました。工夫して作成しましたが、手作りでは、市販されている製品と同等の効果や安全性が得られず、無いものを新しく作ることの難しさを感じました。上手くいかず悩んでいたところ、利用者さんの御家族がアイスノンの製造元へ作製の依頼をしてくれました。「この子はアイスノンが大好きで、これからも使い続けたい」と、御家族の子を想う強い気持ちを伝えたそうです。その想いが通じ、なんとかしてあげたいと思う方々が集まり、アイスノンを共同開発することになりました。作成前に、重症心身障害とは、褥瘡やその対策方法などの情報を提供しました。仮合わせの際は、遠方から出向き立ち会ってくれました。普段、重症心身障害児者に関わっていない方々が、重症心身障害や起きる問題に、熱心に向き合ってくれたことがとても嬉しかったです。共同開発から約半年後、ついに利用者さん専用のただ一つのアイスノンが完成しました。御家族も安心し満足そうでした。つばさ静岡に就職して5年が経ち、リハビリを通して多くの利用者さんと出会い、関わりを持たせてもらっています。利用者さんの多くは、重度の身体・知的障害を抱え、周囲の支援の上で日常生活が成り立っています。しかし、私は重い障害を抱えているからこそ、人を引き寄せ、動かす力があると感じます。今回のアイスノンの作成には、製造元の協力だけでなく、多くの方々の協力によって完遂しました。その協力があったのは、やはり利用者さんの人を動かす力があったからです。今回の件に関わった一人として利用者さんの持つ力を改めて感じ、そして心を動かされました。


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